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有害図書愛好会

同人サークル「有害図書愛好会」の告知ブログです。

【通販】カヨワキボクラ(コードギアス)

2008-05-09-Fri-23:43
通販情報です。

■カヨワキボクラ
表紙

判型:A5
ページ数:36P
価格:400円+送料80円(発送はメール便になります)

「コードギアス」、ルルーシュとスザクの子供時代の小説です。
お互いを意識しつつもなかなか仲良くなれない、そんな二人の友情物語。
※「続きを読む」で冒頭が読めます。

 あの頃のぼくたちは
 何もわからないまま 必死にもがいていた

 「強くなりたい」と ただそれだけを願って。

 本当の、強さなんて知らないまま――


 重い音を立てて土蔵の扉が開く。漆喰の壁に閉ざされた暗い世界に、夕陽の赤色がひとすじ、線を引いた。
 扉に手を掛けているのは、一人の少年。
 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。広大な土地を支配する神聖ブリタニア帝国の第十一皇子だ。
 まだ小さく幼いその身体は、黒く埃にまみれている。
「……つっ」
 苦しげな舌打ちとともに、紫の瞳が細くゆがむ。
「おにいさま?」
 その小さな音が聞こえたわけでもないだろうに、奥から彼を呼ぶ声がした。キイ、と金属のきしむ音がして、車椅子に乗った少女が現れる。
 その瞳は白い瞼と茶の睫に閉ざされている。
「あ、ああ。ただいまナナリー」
 少女の名前を呼ぶその一瞬、ルルーシュの表情が和らぐ。
「どうかしましたか? なんだか足音がおかしいようなのですが……」
 彼女は小首をかしげて、そしてはっと思い当たったように口にする。
「まさか、お怪我を」
「大丈夫だよ、ちょっと転んだだけだ」
 ルルーシュはナナリーの言葉を遮るように答えた。その口調は明るく、軽い。けれどナナリーは納得がいかないというように首を振った。
「いいえ、おにいさま……もう、私のために怪我をするのはやめてください」
 ルルーシュの表情が曇る。けれど、それはナナリーには見えない。
「私、知ってるんです。おにいさまが、私のために街へ買い出しに行っていること」
「ナナリー……それは」
「スザクさんだって、きっとおにいさまのことを心配されてらっしゃいますし……」
 スザク。ナナリーがその名前を出した瞬間、ルルーシュの眦が上がる。
「あいつに頼れっていうのか!? あいつは……日本人だぞ!?」
 思わず荒げた声の大きさに、ナナリーはびくりと肩をすくめる。その様子に、ルルーシュははっとして語気を弱める。
「あ……すまない、ナナリー。でも、本当に大丈夫だから」
 赤い夕陽がナナリーの小さな頬に深い影を落とす。赤と黒が彩る世界に、何を感じたのか、ナナリーは悲しそうに呟いた。
「……そんなに、ご無理をなさらないでください」
 ルルーシュは言葉に詰まって、ナナリーを見つめる。この国に、たった二人だけの血を分けた兄妹だというのに。ただ大切に守りたいだけなのに。
 どうして、こんなにも心は苦しいのだろう。
 ナナリーがこんな表情をするなんて、自分のやり方は間違っているのだろうか。一瞬そんな思いが胸中をよぎる。ルルーシュは泥にまみれた手のひらをきつく握りしめると、かぶりを振った。
 そんなはずはない。
 だって、そうしなければナナリーを守れない。
 どんなに傷を負っても歯を食いしばって、世界に立ち向かう。
 それ以外に、強くなる方法なんて自分は知らない。
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